「突然の退職届」(経営者の方へ向け)
数年前のことです。
ある中小企業の社長さんからのご相談いただいた時のお話です。
(社長さんには了解をいただいています)
「最近、期待していた中堅女性社員が突然退職届をだしてきてね・・・
それが2人も続いてね・・・」
「退職理由は両親の介護が始まり、体力的に大変で・・・
とか
子どものことを優先しなければならない状況になった
ということだからどうしようもなくて。」
「こちらも引き止めたんだけど、
どうも決意は揺るがないみたいでね、困っているんだよ」と。
勤続5〜8年目でこれからチームをまとめていってくれると期待し、
しかも辞める気配もなかったこともあり、
突然の申し出に戸惑っているご様子でした。
社長さんとしては、表向きの離職理由の他に本当の離職理由があるのではないかと考え、
なんとか社員が辞めなくてもよい会社にしたいと相談されました。
そこでまず、社員が定期的に外部の専門家と面談を行い、
内部の人には相談できない悩みを打ち明ける機会を作ったり、
辞めることを考えている時に匿名で悩み(組織の問題)を吐き出してもらう
取り組みを始められました。
突然始まったその取り組みに、社員も最初は疑心暗鬼になっていましたが
半年もすると、少しずつ会社に対する本音や問題ある上司への不満、
同僚に対する問題などの話が出てくるようになりました。
社員が辞めたくなる組織の課題をいち早く集め
その課題に対して、誠意を持って改善しようとされていた事が
社員にも伝わり、結果として「突然の退職届」がほぼなくなったそうです。