「自分にしかできない仕事」という蜜
みなさんこんにちは。
12月に入りまして、2021年のカレンダーは残り1枚。
年賀状のCMや流行語大賞の話題など年末らしくなってまいりました。
さて、今週のテーマは
「自分にしかできない仕事」という蜜を一度味合うと
それを手放さない理由についてお話ししていきたいと思います。
私たちが組織に所属し、「自分にしかできない仕事」をして褒められたときに、
上司や同僚、取引先から
「あの人は仕事ができる」
「この仕事はあの人がいないとだめだ」
と周囲に認められている環境が心地よく感じられ、頼られていることが嬉しいと感じていきます。
「自分にしかできない仕事」があると特別な存在になれたような気がしてきますよね。
誰しも、「他人には真似できない自分だけのノウハウ・スキル」を身につけたいと考えます。
それが自分の価値を高める、と思うからです。
スキルを身につけること自体は良いことですが、
その環境を維持しようと、複数担当制への変革に対して強い拒否反応を示したり、
チーム内での多能工化を進めまいと抵抗することがあります。
他者から認められる武器をなくしてしまうと、
自分自身の価値を下げてしまうのではないかとの
「恐れ」
を感じてしまうようです。
それは「承認欲求」
と呼ばれるもので、どんな人でも持っていると言われる欲求で、
褒められたい、
ひとりの人間として認知されたい、といった欲求のことです。
心理学者のアブラハム・マズローが定義している、人間の根源的な5つの欲求のうちの1つで、人間の欲求には
「生理的欲求(生命維持に関わる)」
「安全の欲求(身の安全)」
「社会的欲求(所属と愛の欲求)」
「承認欲求」
「自己実現の欲求」
の5段階があります。
そして、これら5つの欲求にはピラミッド状の序列があり、
低次の欲求が満たされるごとに、もう1つ上の欲求をもつようになるのです。
「自分にしかできない仕事」は人数が少ない会社であればあるほど、
担当制になっており、属人化の状況になっていることが多いのが現状ではないでしょうか?
実務担当者以外と仕事内容や進捗状況が共有されず、
不在時や突発的な問題が起こったときや
担当者が突然退職してしまう状況に陥ったときに組織としてはリスクになってしまいます。
労働人口が減少し、多様な働き方をする社員が過半数に増え、
社員の入れ替わりも頻繁に考えられる日本の組織においては、
誰か一人に仕事のほとんどを任せっぱなしにできなくなっています。
だからこそ、
組織の多能工化やチームや複数のスタッフで担当していく方法
に変えていくことが企業継続としての戦略となります。
しかし、
幼少期から褒められて認められて育った環境ではなく否定をされて育った人や、
仕事以外で自分の置かれている現状に自信がなく、
満たされていないような状況にある人はこの「自分にしかできない仕事」で評価される、
甘い蜜は手放せないものとなります。
この「自分にしかできない仕事」を手放さない社員に対しては、
まず、マズローの欲求段階4の承認欲求の前段階である段階3の
社会的欲求(所属と愛の欲求)を満たすことが大切です。
その社員が
この組織に所属してくれていることに対して感謝を示し、
能力を褒めることにより、承認欲求も満たされます。
加えて評価の面からも業務遂行の能力だけでなく、
チームメンバーが属人化業務を遂行できるように教育することに高い評価を行う
ようにすることで「自分にしかできない仕事」への執着が取れていくはずです。
新しい仕事に挑戦する機会を与え気持ちをリフレッシュすることも効果がありますね。
自分自身の存在価値が脅かされることなく尊重され、心理的に安心感がある職場なると「恐れ」が減り、
「自分にしかできない仕事」から「みんなができる仕事」になっていくことでしょう。
そうすると、
休みも取りやすくなりますし、
業務の相談もできるので安心、
自分も他のメンバーも能力アップして楽になる・・・
いいことづくめなことに早く気が付けるといいですね。
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